「フッ素」のためだけじゃない?今、子供たちに求められる「お口の筋トレ」とは

2026/09/18

こんにちは!ハピネス歯科おとなこども歯科です。
皆さんは、お子さまを歯科医院に連れて行く理由をどう考えていますか? 「虫歯にならないようにフッ素を塗ってもらう」「虫歯ができたら治してもらう」……。 もちろんこれらも大切ですが、今、歯科の世界では**「お口の機能を育てること」**がそれ以上に重要視されています。
 

1. 【時事ネタ】「お口ポカン」は5人に1人?マスク生活の影響も

 
最近行われた全国調査(株式会社ロッテ調べ)によると、なんと約5人に1人のお子さまに、お口が常に開いている「お口ポカン」や「いびき」の症状があることが判明しました
さらに、ここ数年の「マスク習慣」も影響しています。マスクでお口元が隠れていたことで、お子さまが口呼吸になっていたり、姿勢が悪くなっていたりすることに気づきにくい状況が続いていました。今、マスクを外す機会が増え、改めて「うちの子、実はお口が開いているかも?」と気づく親御さんが増えています。
 

2. 「口腔機能発達不全症」という病気をご存知ですか?

 
お口がポカンと開いている、食べるのが遅い、滑舌が気になる……これらは単なる「クセ」ではなく、**「口腔機能発達不全症」**という病気のサインかもしれません
実は、現代のお子さまの10人中8人が「口呼吸」あるいはその予備軍だと言われています。 お口の機能(食べる・話す・呼吸する)が十分に発達しないと、将来的に以下のようなリスクが高まります。
  • 歯並びが悪くなる(あごが正しく発育しないため)
  • 顔立ちの発育への影響
  • 睡眠障害(いびき、眠りが浅い)
  • 虫歯や歯周病になりやすくなる

3.お口の機能の発達を妨げてしまっている原因

 
現代のお子さまに特有の原因として、以下の点が挙げられています。
  • 口呼吸(くちこきゅう): 現代の子どもの10人中8人が口呼吸またはその予備軍と言われており、お口の機能や全身の成長を妨げる大きな原因の一つです。
  • 姿勢の崩れ: 日常の姿勢が悪いことも、お口の正しい発達に悪影響を及ぼします。
  • スマートフォンの長時間利用: 下を向く姿勢が続くことなどが影響します。
  • 離乳食の与え方: 離乳食の進め方や与え方が適切でない場合、正しく噛む・飲み込むといった機能の発達が遅れることがあります。

 近年の社会環境(マスク習慣)
最近の時事的な要因として、長引いたマスク習慣が挙げられます。
  • マスクによって口元が隠れることで、「お口ポカン」や口臭といった将来の病気のリスクが覆い隠されて(マスクされて)しまい、親が気づきにくい状況が続いていました。
  • 口元への意識が薄れることで、慢性的な口呼吸を引き起こし、歯並びの悪化やいびきなどの増加につながることが懸念されています。
食生活と咀嚼習慣
  • 柔らかいものばかり好んで食べる: 噛み応えのある食事を摂らないことで、お口周りの筋肉が十分に鍛えられません。
  • 不適切な食べ方: 片側の歯ばかりで噛む癖や、食べ物をなかなか飲み込まないといった習慣も発達を妨げます。
身体的な要因・形態の異常
生まれ持った形や病気も原因となります。
  • 扁桃(へんとう)肥大: 鼻の奥の腺様体や喉の扁桃が大きいために鼻呼吸ができず、口呼吸になってしまうケースです。
  • 舌小帯(ぜつしょうたい)の異常: 舌の裏側のスジが短いなどの異常があると、舌が正しく動かせません。
  • 形態的な異常: 口唇や歯槽(歯を支える土台)の形態異常、あるいは歯の萌出(生えてくること)の遅れなどが挙げられます。

口腔習癖(お口の悪いクセ)
以下のようなクセが3歳以降も残っていると、機能の発達に悪影響を及ぼします。
  • 吸指癖(指しゃぶり)
  • 舌突出癖(舌を前に出すクセ)
  • 咬唇癖・吸唇癖(唇を噛んだり吸ったりするクセ)
これらの原因が重なることで、「口腔機能発達不全症」(食べる・話す・呼吸する機能が十分に発達していない状態)が引き起こされます
 

4,なぜこどもの時期に口腔機能を発達させる必要があるのか?

 
生涯にわたるお口の機能レベルが決まるためです。
厚生労働省の資料によると、乳幼児期・学童期に適切な口腔機能を獲得したか、あるいは問題があったかによって、その後の人生における機能の推移が大きく変わります。
  • 子供のうちに向上させた場合: 成人期に高いレベルで安定し、高齢になっても食べる・話す機能を高く維持できます。
  • 発達不全のままだった場合: 本来到達すべき機能レベルまで上がらず、将来的に食べることや発音に大きな支障をきたすリスクが高まります。

お口の使い方は、お箸の持ち方や歯磨きと同じように、成長過程で**「正しく教わり、トレーニングする(口育)」**必要があるものです。
単に虫歯がないこと(フッ素予防)だけでなく、**「正しく機能させること」**を目的に歯科医院に通うことは、お子さまが将来、自分の力でおいしく食べ、健康な体で過ごすための「一生の贈り物」になります