\ことばの「芽生え」から「爆発」まで:親が知っておきたい語彙獲得のステップ/
目次
🌸ことばの成長を支えるために
「うちの子はいつ言葉を話し始めるんだろう?」
「なかなか単語が増えないけど大丈夫かな?」

――お子様のことばの発達については、多くの保護者様が関心や不安を抱えるテーマだと思います。
ことばの発達は、ある日突然始まるのではなく、生まれてすぐの「発声」の段階から、
一語文、二語文へと続く、長い道のりです。
特に、言葉が急激に増える「ボキャブラリー・スパート」の時期は、親子の関わり方一つで大きく変わる可能性があります。
このブログでは、ことばの発達の流れを追いつつ、語彙獲得のメカニズムと、ご家庭でできるサポート方法をご紹介します。
👶 1. ことばが出る前 — 準備段階の5つのステップ
ことばの表出(話すこと)のベースには、
まず「ことばをたくさん理解すること」が重要です。
理解できることばが増えることで、それが表出へと繋がっていきます。
発語の前段階には、コミュニケーションの土台となる大切なステップがあります。
① 生理的発声(0~2ヶ月頃)
この時期は、泣き声、げっぷ、せき、くしゃみなど、生理的な快・不快の表現が中心です。
不快を感じて泣いたり、泣いて要求したりする時期です。
② クーイング(2~4ヶ月頃)
「アーアー」「クークー」といった、母音を中心とした発声が始まります。
大人の呼びかけに対して反応を示したり、あやすと声を立てて笑ったり、人の顔や声に反応して笑うようになります。
③ 喃語への移行期(5~9ヶ月頃)
クーイングから喃語へと移行する時期です。
この時期には、ボーカルプレイといって、いろいろな高さ、長さ、大きさの声を出し、
それを自分で聞くという繰り返しが行われます。
その後、「バババ」「マママ」などの規準喃語が出始めます。
また、人見知りが始まるのもこの頃です。
④ 喃語の短縮と共同注意(10~12ヶ月頃)
まるで話しているかのような複雑な声を出しますが、喃語がだんだん短くなっていきます。
この頃までに、物の永続性(見えなくなっても物が存在し続けること)を理解するようになります。
そして、コミュニケーションの土台となる共同注意(指さしや社会的参照)が見られるようになります。
⑤ 一語文へ(1歳頃)
上記のプロセスを経て、いよいよ初語や一語文へと向かう準備が整います。
この時期、お子様は社会的微笑、人の顔の注視、共同注意、物を大人に見せたり渡したりする対人的関わりや、
音源への注目、事物の永続性の理解といった対物的関わりを通して、言葉の基礎を築いています。

🚀 2. 語彙の加速度的増加:ボキャブラリー・スパートの秘密
初語が出てからしばらくは、語彙獲得はゆっくりとした速度で進みます。
しかし、あるタイミングを境に、言葉が急激に増加する時期が訪れます。
これが「ボキャブラリー・スパート(語彙の加速度的増加)」です。
◎スパートはいつ起こる?
自発的に産出できることばが約50語を超えた頃に、語彙が急激に増加するようになります。
また、安定した語彙数が10語を過ぎると、その後語彙獲得のスピードが加速することがわかっています。
◎なぜ言葉が加速するのか?
この加速の鍵は、お子様の「気づき」にあります。
子どもが「事物にはすべて名称がある」ということに気づき始めると、語彙数が急激に増加していくのです。
◎初期の語彙と拡大
初期には、母親を表す語(mom)や、バイバイ、いや、ちょうだい、ありがとうなどの
社会的語彙(対人的表現)の理解が進みます。
その後、以下のような多様な語彙の拡大が見られます。
・疑問詞(使用・理解)
・形容詞の理解(例:大きい、熱い)
・動詞の理解(例:走る、食べる)
・色名の理解、量的概念の理解
・位置の表現、反対語、時間的な語の理解
・文脈に応じた動詞の使用
この時期は、お子様が世界を言葉で捉え直している大切な時期です。たくさんの言葉をインプットしてあげましょう。
🗣️ 3. コミュニケーションの不安を感じたら
ことばの表出のベースとして、言葉の理解に加え、「相手に注目すること」も非常に大切です。
もし、お子様のことばやコミュニケーションについて、心配なこと、困っていることがあれば、
専門家への相談を検討してみましょう。
言語訓練相談の対象内容と流れ
当院では、1歳頃から言語訓練の対象となる場合があります。
よくある相談内容は、ことばの遅れ、滑舌がよくない(サ行が言えないなど)、
吃音、お友達とのコミュニケーションのトラブル、読み書きが苦手など、ことばとコミュニケーションに関する幅広い相談です。
◎言語聴覚士(ST)によるサポート
言語聴覚士は、お子様の想いに寄り添い、困りごとにアプローチするため、
個別のプログラムを立ててサポートを行います。
目標は、お子様が「伝わるって楽しい💫」と感じられるコミュニケーションの方法を一緒に見つけていくことです。
心配なことがある場合は、お気軽にご相談ください。

◎親子の関わりが言葉を育む
ことばの発達は個人差が大きいものです。
焦らず、お子様が言葉を理解し、相手に注目する、その土台を日々築いてあげることが、最も大切です。
たくさんの言葉のシャワーと温かい関わりを通じて、お子様の素晴らしい成長を見守っていきましょう。
お子さまの言語(ことばの遅れや滑舌など)や摂食についてお悩みやご質問がある方は、
お気軽にハピネス歯科 0564-62-0505までお電話ください。WEB予約はこちら
当院では1歳頃から言語訓練の対象となる場合があり、言語聴覚士が個別のプログラムでサポートいたします!










